2018-05-19

砂曼荼羅の世界-ジャンムー・カシミール レー

北インドの遥か彼方、ラダック地方。ここにはまだ色濃くチベット文化が残っている。

ラダック地方の中心都市、レーに滞在したのは僅か2週間足らずであったが、その期間中に砂曼荼羅の製作を見られたのはとても幸運だった。

砂曼荼羅を製作していたスピトクゴンパ(ゴンパとは寺院の意)までは街の中心地からバスで約20分という距離だった為、6日間にも及ぶ製作期間中、足繁く通い4人の僧侶達が製作する過程を毎日見る事ができた。

4人と言っても日々同じ僧侶が製作する訳ではなく、ある程度の時間が来たら交代、と言う形を取り総勢7,8名の僧侶が製作に携わっていた。

砂曼荼羅はまず中心部分を丹念に制作し、そこから徐々に大きく円を広げるように製作されていった。完成後は5日間寺院内に展示され最後は僧侶達によるプジャー(祈祷)が行われ、その後壊して川に流してしまう。

折角、手間隙かけて作ったのに壊してしまうなんて勿体無い!と考えがちであるが、全ての万物は流転するという思想に則ったこの行いは仏教の思想をよく現しているとも言える。

幸運にも最後川に流すところまで見守る事ができ、製作した砂の一部を別れ際に僧侶からお守りとして頂いた。

時々この砂を眺めスピトクでの懐かしい日々を思い出している。

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